模型誌掲載作品
◆Till Earth Outwears ―姫路城における廃頽の美学―
【使用キット】童友社プレミアム姫路城、スタンダード姫路城
月刊アーマーモデリング2月号掲載のために製作した創作ジオラマ。以前製作した「姫路城廃墟ジオラマ」の世界観をもう一段階進めて濃密な空間を創出した。誌上には「姫路城幻想」のタイトルで掲載された。神のつくりしもの(Nature)と人のつくりしもの(Art)の対比、拮抗、あるいは融合をテーマとした。
詳細画像(クリックで拡大)
掲載内容抜粋
製作テクニックとして、石垣をキットのまま塗装のみで表現する方法をご紹介した。お城プラモデルのディティールアップ方法として、リューターで溝を彫り込むなどのテクニックが広く行われているが、手間の割に効果的に仕上げることが難しいのが難点である。今回使用した童友社のプレミアム姫路城は石垣のモールドが甘めであるが、それでもキットのモールドを生かして、充分に質感ある石垣の製作が可能であるのでぜひ試してもらいたい。
石垣をキットのまま塗装のみで表現する方法
(1)下地の上から粘り気のある絵の具をたっぷりつけてかすれさせながら色をのせる。写真ではアクリルガッシュを使用。溝が埋まっても気にしない。下地の色は茶系やグレー系などいろいろ変えることで表現の幅が広がる。
(2)水で薄めた地色を薄くかけて下地とのコントラストを調整する。
(3)少しづつ色を変える、塗りつぶし具合を変えるなどして、石一つ一つに対して石垣に表情を出す。
(4)面相筆を使い石の溝を描き起こしていく。描き起こしの色は黒など強い色は使わず、石の影のような色を使うとより自然に仕上がる。
(5)最後に粉にしたパステルやタミヤのウェザリングマスターを使って質感を整えてもよい。
キットのモールドのまま塗装のみで表現した石垣。